調光とシーン設定

光の量をコントロールすることによって、様々なシーンを設定することができます。また、調光する範囲によって器具の選択肢も変わってきます。

調光の特徴

メリット
  • 消費電力を抑え、省エネに繋がる
  • ランプの寿命が長くなる
デメリット
  • 調光スイッチを多くすると電気工事費が高くなる

住宅では一般にリビングやダイニング、寝室などに調光機能を取り入れることが多くなります。調光可能な照明器具、不可能な照明器具があるので、照明設計をする初期段階から調光計画も念頭に置くべきです。部屋の雰囲気作りを重視すると、調光の範囲は広くなります。イニシャルコストを抑えるか、その雰囲気が空間にとって本当に必要なのかを考察し、クライアントに提案すべきです。

シーン設定

調光器具の中には、調光シーンを記憶できるものもあります。作業や団らん、パーティー等さまざまなシーンに合わせて、回路ごとの明るさのバランスとパターンを記憶させ、光の調節をすることが可能です。

LED電球の見分け方

LED電球は目に悪い?

昨年の夏からLED電球が普及し始め、急速に需要を伸ばしつつあります。今やエコ関連商品の筆頭とも言えます。

LED電球の利点
  • 省エネ性
  • 長寿命
  • 点灯後、明るくなるまでが短い

省エネ性については、白熱電球は60Wや40Wとかなり消費電力が高く、それより省エネの電球形蛍光灯でも40W相当で8W、60W相当で12Wとなっています。
しかし、LED電球なら40W相当で4〜5W、60W相当でも7〜8W程度とさらに低い。消費電力が下がれば、二酸化炭素の排出量も減ることになります。


もうひとつの特徴が長寿命であること。家庭向けのLED電球の場合、その多くは定格寿命4万時間というスペックのものが多く、定格寿命が1000〜4000時間の白熱電球や、6000〜1万3000時間の電球形蛍光灯と比べて大幅な寿命を実現しています。つまり取り替えるのが面倒な場所に使うのには最適だと言えるでしょう。


また、電球形蛍光灯に比べて、スイッチを点けてから明るくなるまでの時間が短いこともLED電球の特徴です。LEDはそれ自体が半導体なので、スイッチを入れればすぐに点灯する。点滅に対する耐久性も高いので、頻繁に点灯を繰り返すトイレや洗面所などにもぴったりだと言えます。


電球形蛍光灯は気温が低いと明るくなるまでの時間のが遅くなる傾向があるが、LED電球ならばそのようなこともないので利点の一つですね。

LED電球は目に悪いのか?

しかし、そのLED電球を使用すると目が疲れやすいという声も聞きます。それには理由があり、メーカーによってはLED電球そのものがものすごい速さ(1秒間100回)で点滅を繰り返すものもあります。これを目が感じ取り、疲労感を感じてしまうのです。ただし、メーカーによっては点滅しないものもあります。

LED電球の見分け方

では、見分ける方法を教えます。携帯電話のカメラで点灯しているLED電球を映してみてください。縦に線が入ったり、点滅している場合は、そのLED電球は目に悪影響を与えます。画面が特に乱れない場合は、点滅していない電球となりますので、そのLED電球を選んで購入するといいです。

椅子のDesignから歴史を紐解く〜その6〜

ココナッツ・チェア|ジョージ・ネルスン

  • 設計年:1955年
  • 寸法:840×1040×860(W×D×H)座面高340
  • 素材:光沢アルミニウム、銅板、フォームラバー、人工皮革、クロムメッキ丸鋼

ココナッツを開けて8つに割ったうちの1つに形が似ている事からこの名前が付けられました。ジョージ・1955年のDesignされたこの椅子は、ジョージ・ネルスンが大衆的な日常生活が生み出す60年代の、のびのびとした生活様式を暗示してたかのようなDesignです。
機能的に人間の体に合った形を探すことを追求していた当時としては、新しい気軽なスタイルでの座り方をもたらす、象徴的なDesignとなっていきました。



Designの元となったのは、50年代人気のあった「アレグザンダー・カルダー」や「ホアン・ミロ」の抽象的でシュルレアリスム的な大きく広がるような造形と、動きのある芸術作品からジョージ・ネルスンは大いに刺激を受けたと語っています。
左の写真は、アレグザンダー・ガルダーの作品です。ここからココナッツ・チェアが生まれたとなると感慨深いですね。
建築作品も誰かが建てたものに対して刺激を受け、自分なりに昇華していって自分の中に新しいDesignを生み出していくということがよくあります。やはり作品を見に行くことは脳の刺激になりますね。


私もココナッツ・チェアに座ったことがあるのですが、感想としては、座る人が自由な位置や体勢で座ることができ、身動きが容易に出来るように浅めのサイドが心地よかったです。また印象としては、見る人を招き入れるようなカーブになった座面部分が思わず座りたいという欲求にかられるすばらしいDesignだと思います。

UFOスタジアム

エスタディオ・アノエタ|レアル・ソシエダ

スペインは、バスク地方にある近未来を想像させるスタジアムです。スタジアムは、以前使用されていたアトーチャ・スタジアムに代わって1993年に建設されました。スペインでも指折りの新しいスタジアムであり、DesignもUFOのようで流線型の屋根がとても美しく圧巻のDesignですね。
サン・セバスチャンの街は、どちらかと言うと田舎に当たるのだが、不思議とこの近未来的Designのスタジアムと調和しています。

しかし、サッカー専用スタジアムではなく、陸上トラックも併設しているため、一部の座席からは試合の観戦がしにくい場所もあるようです。そのため、レアル・ソシエダは2007年に陸上トラックを撤去し、スタジアムの一部を改修する計画を発表し、現在計画が進められています。

照明器具のメンテナンス

メンテナンスのメリット

照明器具は、使用しているうちに器具の汚れやランプ自体の光束量の減少から、明るさが減少していきます。そのため、適切な時期に清掃及び、交換を行う必要があります。メンテナンスを怠ると、以下のようなデメリットに繋がります。

  • 照明Design設計時の明るさが得られず、物が見えにくくなる
  • 電力の無駄にも繋がる

環境によってメンテナンスの時期も異なってくるので、使用環境を考慮し、クライアントにメンテナンスの時期を伝えるべきです。
適切なメンテナンスによって得られるメリットは以下が挙げられます。

  • 照明器具の設置台数を抑えることが可能
  • 照明器具の容量を小さくできるため、電気代の節約に繋がる
  • 適切な光環境が得られるので、作業効率が上がる
  • 店舗の場合、商品がいつでも望ましい光環境で見ることができる

交換時期と交換方式

一般にランプの交換時期は平均寿命の70%を経過した時期が、光環境にも経済的にも良いと言われています。また交換方式には、4つの方式があります。

個別交換方式
暗くなったり、点灯しなくなったランプをその度に交換する。住宅等に適しています。
個別的集団交換方式
点灯しなくなったランプを、その度に交換しながら、一定期間が過ぎた時点で全てのランプを交換する。大規模なホテルやオフィス等、ランプ交換に掛かる人件費が高い場合に適しています。
集団個別方式
点灯しなくなったランプが一定個数になった時、または一定期間を定めてその時に点灯しないランプを交換する。
集団交換方式
点灯しなくなったランプが一定の個数になるまで、または一滴の時期が来るまで放置し、設定した時期に全てのランプを交換する。
3つ目と4つ目の集団的方式は、ランプの交換が困難な場所に適しています。しかし、点灯しない器具を放置すると故障の原因にもなるので、注意する必要があります。