椅子のDesignから歴史を紐解く〜その6〜

ココナッツ・チェア|ジョージ・ネルスン

  • 設計年:1955年
  • 寸法:840×1040×860(W×D×H)座面高340
  • 素材:光沢アルミニウム、銅板、フォームラバー、人工皮革、クロムメッキ丸鋼

ココナッツを開けて8つに割ったうちの1つに形が似ている事からこの名前が付けられました。ジョージ・1955年のDesignされたこの椅子は、ジョージ・ネルスンが大衆的な日常生活が生み出す60年代の、のびのびとした生活様式を暗示してたかのようなDesignです。
機能的に人間の体に合った形を探すことを追求していた当時としては、新しい気軽なスタイルでの座り方をもたらす、象徴的なDesignとなっていきました。



Designの元となったのは、50年代人気のあった「アレグザンダー・カルダー」や「ホアン・ミロ」の抽象的でシュルレアリスム的な大きく広がるような造形と、動きのある芸術作品からジョージ・ネルスンは大いに刺激を受けたと語っています。
左の写真は、アレグザンダー・ガルダーの作品です。ここからココナッツ・チェアが生まれたとなると感慨深いですね。
建築作品も誰かが建てたものに対して刺激を受け、自分なりに昇華していって自分の中に新しいDesignを生み出していくということがよくあります。やはり作品を見に行くことは脳の刺激になりますね。


私もココナッツ・チェアに座ったことがあるのですが、感想としては、座る人が自由な位置や体勢で座ることができ、身動きが容易に出来るように浅めのサイドが心地よかったです。また印象としては、見る人を招き入れるようなカーブになった座面部分が思わず座りたいという欲求にかられるすばらしいDesignだと思います。