ファンから最も愛されるスタジアム

アンフィールドリヴァプールFC

アウェイチームから「要塞」と呼ばれ、最も勝つのが難しいスタジアムという名声を得ているアンフィールド。だが、もともとは同じ街に属するライバルのエヴァートンFCのホームスタジアムだと言うことは意外と知られていません。
1892年に賃料の問題からアンフィールドを離れることとなったエヴァートンFC、空になったスタジアムから生まれたのが現在のリヴァプールFCでした。ちなみにアンフィールドをDesign設計したのは建築家アーチボルト・リーチです。

世界一有名なゴール裏スタンド

1906年、リーグ優勝を果たしたリヴァプールFCはファンへの気持ちとして、ゴール裏スタンドを新設しました。これが「Kop(コップ)」スタンドと呼ばれる世界で最も有名なスタンドです。

名前の由来は、多くのリヴァプール出身の兵士が亡くなった第2次ボーア戦争の舞台となったスピオン・コップから取り、兵士たちを追悼する意味で名付けたそうです。兵士たちの思いも背負っているスタンド。アウェイチームはやりづらいでしょうね。

2つのゲート

アンフィールドが、世界有数のスタジアムである所以は歴史にあります。スタジアムの至る所に、その歴史を感じることができる名所が多く残されていることもあって、スタジアムツアーはいつも観光客や地元ファンで賑わっています。
中でも「You'll never walk alone」「This is Anfield」の2つのゲートは選手にとってもファンにとっても重要なものになっています。2つともリヴァプールの黄金期の時代の監督の名言であり、前者は今では応援歌になっており、後者は選手が使うグラウンドの入り口の壁の上にサインとして掲げてあります。

「This is Anfield」はホーム側、アウェイ側それぞれにサインがあり、リヴァプールFCの選手には安心感を、アウェイの選手には威圧感を与えるものとなっており、アンフィールドの象徴にもなっています。
このほかにも、語りつくせない歴史がたくさんあるアンフィールド。数多くの歓喜や悲劇の歴史が刻まれていることもあり、ファンから愛されるスタジアムに育っていったんでしょうね。
しかし、このほど新スタジアムの計画が発表されました。Designはこんな感じになります。

現時点では資金面から計画が大幅に遅れているようで、暗礁に乗り上げたとも言われており、不透明な状態ですが、ファンからはほとんど支持されていないようです。Designとしては悪くはないですが、歴史と愛着には現状では勝てないようですね。
建築も同じです。新しいものは、得てして支持されにくいものだと思います。時代を経て風景や空気に馴染んでいくことがありますからね。
長くなりましたが、この辺で。リヴァプールファンの方、物足りる内容となったでしょうか。満足していただけたら幸いです。
最後にKopスタンドのファンによる「You'll never walk alone」を。