ドイツの歴史の一部

文化財としてのスタジアム

スタジアム建築の中には、重要文化財として登録されているものもあります。そんな歴史的価値の高いスタジアムを今回は紹介します。

オリンピアスタディオン

このスタジアムは、ヒトラーの指示ものもと1936年のベルリンオリンピックのために設計されました。モチーフとなったのは古代のオリンピック競技場だそうです。ちなみに聖火リレーがはじめて行われたのは、ベルリンオリンピックからなんですよ。
その後、スタジアムは本来の役割を失っていく。1938年に防空壕と極秘の地下通路が作られ、軍の兵器工場になってしまいました。もしかしたらヒトラーは、こうなるという想定があってスタジアム建築に口を出していたのかもしれませんね。
1949年に当時の政権の過ちを忘れない記念碑として重要文化財と登録されたそうです。

重要文化財なので2000年から2004年に行われた改修工事の際には、外観と基礎を残す必要があったため、350億円もの費用と4年の歳月が掛かったそうです。以下は主な改修の項目です。

  • 観戦しやすくするためにピッチ全体を2.5m掘り下げる工事
  • 屋根を設置する際に、外観を損ねないよう20本のスリムなシルエットの支柱の建設
  • 門の素材に使われていた1800個の自然石を一つ一つ磨き直す
  • 階段部分から発がん性物質が検出されたため除去

工程や費用を考えるだけで大変な改修工事ですね。それだけこのスタジアムを残そうという気概が伝わってきますね。それもサッカー以外の価値も備わっているからなんでしょうね。知っているのと知らないのでは歴史も重みの感じ方も変わってきます。
最後にyoutubeの動画も載せておきます。動画で見るとやはり違いますね。いいものです。